空き家売却で固定資産税滞納を解消する方法と手順

空き家を所有しているものの、固定資産税の滞納に頭を悩ませている方は少なくないでしょう。
長年放置された空き家は、税金の負担だけでなく、管理面でも多くの問題を引き起こします。
そんな状況から脱却し、新たな一歩を踏み出すために、空き家の売却を考えている方もいるかもしれません。
今回は、空き家の売却における固定資産税の滞納問題について、具体的な解決策と手順を解説します。

空き家の売却で固定資産税の滞納は解消できる

売却で滞納分の固定資産税は支払える?

空き家の売却によって得た売却代金は、まず滞納している固定資産税の支払いに充当されます。
売却価格が滞納額を上回れば、滞納分は完済できます。
しかし、売買契約は、売買代金から諸費用(仲介手数料、登記費用など)が差し引かれた残額が所有者に支払われる仕組みです。
そのため、売却代金から諸費用を差し引いた残額が滞納額を下回ると、滞納は解消できません。

売却価格が滞納額を下回る場合の対処法

売却価格が滞納額を下回る場合、売却代金だけでは滞納額を完済できません。
この場合は、残りの滞納分について、税務署と交渉し、分割払いなど柔軟な支払い方法を検討する必要があります。
また、売却前に、不動産会社と相談して、売却価格を上げるための対策を講じることも有効です。
例えば、リフォームや修繕を行い、物件の魅力を高めることで、より高い価格で売却できる可能性があります。

滞納による差し押さえの可能性と売却への影響

固定資産税を長期にわたって滞納すると、税務署から差し押さえを受ける可能性があります。
差し押さえされると、物件の売却が難しくなるだけでなく、売却代金から滞納税金と滞納分に対する延滞金が優先的に差し引かれます。
そのため、売却による利益が減少したり、場合によっては利益が出なくなる可能性もあります。
早期の対応が重要です。

固定資産税を滞納した空き家の売却手順は?

滞納中の空き家売却に必要な書類

空き家の売却には、所有権を証明する書類、固定資産税の納税証明書(滞納分も含む)、登記簿謄本などが必要となります。
滞納している場合は、税務署に滞納状況を問い合わせ、滞納証明書を取得する必要があります。
これらの書類は、不動産会社への依頼時や売買契約締結時に必要となるため、事前に準備しておきましょう。

滞納を考慮した売却価格の設定方法

滞納している固定資産税は、売却価格から差し引かれるため、売却価格の設定には注意が必要です。
滞納額を考慮し、売却価格を決定する必要があります。
不動産会社に相談し、適正な売却価格を判断してもらうことが重要です。
また、市場価格を調査し、物件の状況、立地などを考慮して、適切な価格帯を設定する必要があります。

不動産会社への相談と売却活動の進め方

滞納している固定資産税の問題を解決するためには、不動産会社への相談が不可欠です。
不動産会社は、売却手続き全般をサポートし、税金問題についても専門的なアドバイスを提供してくれます。
売却活動の進め方、売却価格の設定、買主との交渉など、専門家の力を借りることで、スムーズに売却を進めることができます。

売買契約締結時の注意点

売買契約締結時には、売買代金から滞納税金が差し引かれる点に注意が必要です。
契約書に、滞納税金の支払い方法や、売却代金からの差し引き方法が明確に記載されていることを確認しましょう。
また、売買契約締結前に、税理士に相談し、税金に関する疑問点を解消しておくことも重要です。

空き家売却時の固定資産税の計算方法

固定資産税の算出方法と滞納分の計算

固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて算出されます。
滞納分の計算は、滞納期間に応じた延滞金を加算した金額となります。
税務署から送付される納税通知書を確認するか、税務署に直接問い合わせることで、正確な滞納金額を確認できます。

売却益が出た場合の税金計算

売却益が出た場合は、譲渡所得税が発生します。
譲渡所得税は、売却価格から取得費(取得価格、修繕費など)と譲渡費用(仲介手数料など)を差し引いた金額(譲渡所得)に対して課税されます。
ただし、一定の条件を満たせば、税金が軽減される場合があります。

売却損が出た場合の税金への影響

売却損が出た場合は、税金の節税効果があります。
しかし、税務上の損失として認められるには、一定の条件を満たす必要があります。
売却損が発生した場合も、税理士に相談して、適切な税務処理を行うことが重要です。

固定資産税の滞納解消のための交渉方法

役所との交渉による分割納付

固定資産税の滞納解消のためには、税務署と交渉し、分割納付を申し出ることも可能です。
滞納状況や収入状況などを説明し、分割払いを実現することで、支払い負担を軽減することができます。

延滞金減免の可能性と交渉方法

延滞金についても、税務署と交渉し、減免を求めることができます。
事情を説明し、減免を依頼することで、支払額を減らすことができます。
ただし、減免されるかどうかは税務署の判断に委ねられます。

まとめ

空き家の売却は、固定資産税の滞納問題を解決する有効な手段です。
しかし、滞納状況や売却価格、諸費用などを考慮した上で、慎重に進める必要があります。
不動産会社や税理士などの専門家の力を借りながら、適切な手続きを進めていくことが重要です。
売却によって滞納問題が解消され、新たな生活への一歩を踏み出せるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

投稿者

北見 豊
北見 豊
豊友住宅は東村山を中心に、東京エリア・埼玉エリアで不動産売買を手がける不動産会社です。皆様の頼れる「住まいのホームドクター」をモットーに、日々、様々なお客様と関わらせて頂いております。
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