法人が不動産売却する際の節税策とは?税金計算の違いと具体的な方法
法人が所有する不動産を売却する際には、個人とは異なる税金の計算方法が適用されます。 売却益が大きくなると、法人税をはじめとする複数の税金が課され、その負担は思わぬ高額になることも少なくありません。 将来の経営計画に影響を与えかねない税負担を、いかに適切に管理し、場合によっては軽減していくかが重要な課題となります。 今回は、法人の不動産売却における税金の仕組みから、個人との違い、そして具体的な節税策について解説します。目次
法人が不動産売却した際の税金計算と個人との違いは
売却益は他の事業所得と合算される
法人が不動産を売却して得た利益は、その法人全体の事業所得の一部として扱われます。 つまり、不動産売却益は、他の事業活動で生じた利益や損失と合算した上で、法人税、法人住民税、法人事業税、地方法人税といった税金の対象となります。 一方、個人が不動産を売却した場合、その売却益は通常「譲渡所得」として区分され、他の所得(給与所得など)とは分離して税金が計算されるのが一般的です。 また、個人が不動産売却で損失を出した場合、損益通算できる範囲は不動産売却損と不動産売却益の間などに限られています。法人には法人税など複数の税金がかかる
法人が不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対しては単一の税金がかかるのではなく、複数の税金が課せられます。 具体的には、国税である法人税に加え、地方税である法人住民税・法人事業税がかかります。 さらに、2014年に創設された地方法人税も、法人税額を基に計算されるため、実質的な税負担を増加させる要因となります。 これらの税率は、法人の規模や所得額によって変動しますが、一般的に個人が不動産を売却した場合に課せられる譲渡所得税と比較して、税率が高くなる傾向があります。 中小法人に対しては、所得800万円以下の部分に軽減税率が適用される制度もあります。土地は非課税だが建物には消費税がかかる
法人が不動産を売却する際に、個人との税制面で大きく異なる点の一つに消費税の課税があります。 消費税は、事業者が事業として行う国内取引に対して課税されるものですが、法人が不動産を売却する行為は事業取引とみなされるため、原則として消費税の課税対象となります。 ただし、消費税がかかるのは建物の売却代金に対してであり、土地は非課税資産とされているため、消費税は課税されません。 個人が自宅などの不動産を売却する際には、原則として消費税は課税されません。法人が不動産売却益を減らすための節税策はあるか
損失との損益通算で税額を圧縮する
不動産売却によって損失が発生した場合、その損失を他の事業所得と相殺(損益通算)することで、法人全体の課税所得を減らし、結果として法人税などの税額を圧縮することが可能です。 例えば、不動産売却で巨額の損失が出た場合、他の事業で利益が出ていても、その利益と相殺することで、本来支払うべき税額を大幅に軽減できる可能性があります。 個人の場合、不動産売却損を給与所得など他の所得と損益通算することはできませんが、法人の場合は事業全体で損益を合算できるため、こうした制度を活用することで税負担の軽減を図ることができます。設備投資や退職金で利益を繰り延べる
不動産売却によって得た利益を、その期の経費として計上できる設備投資に充てることで、当期の利益を減らし、実質的に税負担を繰り延べる方法があります。 例えば、業務用のパソコンや社用車などを購入したり、建物の修繕を行ったりすることで、その費用を損金算入できます。 また、中小企業投資促進税制などの優遇税制を利用すれば、より大きな節税効果が期待できる場合もあります。 さらに、役員や従業員への退職金として利益を支払うことも、節税策の一つです。 退職金は損金算入が可能であり、受け取る側にとっても退職所得控除などがあるため、税負担が比較的軽くなるというメリットがあります。役員報酬や賞与で個人へ所得を移転する
法人の税率よりも個人の所得税・住民税率の方が低い場合、法人から役員への報酬や賞与を増額することで、法人に留まる利益を減らし、個人へ所得を移転させるという方法も考えられます。 これにより、法人税負担を軽減し、個人所得税・住民税の合計税率が抑えられれば、全体として手取り額が増える可能性があります。 ただし、役員報酬を増額する際には、社会保険料の負担が増加するリスクも考慮する必要があります。 また、役員賞与を支給する場合には、事前に税務署への届出が必要となるなどの要件があるため注意が必要です。まとめ
法人が不動産を売却する際の税金計算は、個人とは異なる独特のルールが適用され、売却益は他の事業所得と合算されて法人税などが課税されます。 また、建物には消費税がかかる点も個人との大きな違いです。 しかし、売却損が発生した場合には他の事業所得と損益通算して税額を圧縮したり、設備投資や役員・従業員への退職金に利益を充てて繰り延べたり、あるいは役員報酬や賞与の形で個人へ所得を移転するなど、様々な節税策が存在します。 これらの方法を適切に活用することで、不動産売却に伴う税負担を最適化することが可能です。
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